埼玉県公立入試分析2019

数学

平成31年度県立入試 数学の分析

【学力検査問題】
全体の構成は大問1~4と従来の通りになっています。記述問題が1問増え、記述や作図問題だけで合計24点分と配点が高いです。記述・作図には部分点が認められているので可能な限り書く試みが必要です。
また、円と面積の問題や、平行四辺形になることの証明など、今までに出題されなかった問題も出るようになりました。高得点を取るには、より教科書内容の確実な理解が必要になってきていると言えるでしょう。そのため、受験前の1年間だけで詰め込んでいくのではなく、1,2年時の定期テストの段階で、決められた範囲の理解を徹底することが大切です。
1(1)~(9)は従来の大問1の計算分野と難易度は変わりません。(10)は放物線に関しての正しい理解が求められる問題。 (11) は規則性の問題です。文章にかかれている条件を正確に把握し、必要な情報を抜き出す力が求められます。記述の問題でもあるため、差がつきやすいといえるでしょう。
2(1)標本調査の基本的な問題です。(2)は三角錐と、平行線と線分比を応用した体積の問題。比を使って高さを求めることがポイントになります。(3)の作図の問題では105°と聞いて60°と45°を作成できるかが問われます。(4)では平行四辺形になることの証明問題が出題されました。こちらは近年出題されなかった問題です。平行四辺形の性質や、条件をしっかりと把握しておくことが必要になります。
3 定番の「関数と図形」の問題です。(1)は底辺と高さを決めて確実に抑えたい問題。(2)では面積の比を、底辺の長さの比に置き換え、比例式をつくることがポイントとなります。
4 平面図形の総合問題です。(1)は基本問題。(2)①こちらも新出問題です。点Pと点OがBQを軸として線対称な位置にあることを説明します。「PR=OR、PO⊥BQ」であることを説明することが必要です。
②複雑な形の面積を求める問題です。おうぎ型から切り取って面積を求める問題ですが、時間内に答えまでの見通しを立てて正確に計算する力が必要となります。

【学校選択問題】(共通の問題の分析については、【学力検査問題】の方に記載する)
全体の構成は大問1~5、小問20問と昨年度と変更はありません。記述・作図の問題が2問増え、合計5問になりました。配点も30点分と高くなっています。また、昨年度まで出題されていた「定理・公式の証明問題」が今年は出題されませんでした。このように、学校選択問題を過去3年分比較しても、出題パターンは定まっておらず、今まで以上に総合的な力が問われるといえるでしょう。過去の埼玉県の入試対策だけにとどまらず、あらゆる種類の入試問題に触れ、初見の問題でも切り崩していく力をつけていく必要があります。
1 (1)~(3)は落とせない計算問題(4)は約束記号をつかった問題です。ルール通りに計算公式に当てはめて解きます。(6)の問題内容は学力検査問題と共通ですが、選択肢が「2つ」ではなく「すべて」になっているので一つひとつ吟味することが必要になります。(5)、(7)、(8)①②は学力検査と共通です。
2(1)学力検査問題と共通
(2) 組み合わせの問題ですが、場合分けのパターンが多く、すべてのパターンを書き出すのに時間がかかってしまいます。また、漏れがないように数えるためには工夫が必要です。
3(1)(2)ともに学力検査問題と共通です。
4(1)(2)①②ともに学力検査問題と共通です。
5(1)正四角錐内の三角形の合同を証明する問題です。立体のなかで合同を明する問題は一昨年度も出題されています。(2)①正四角錐の高さを求める問題。教科書レベルです。②では、立体の表面上の最短距離、特別な直角三角形を応用して底面積を求める、線分比を使って高さを求めるなど、図形の知識を総動員して瞬時に解法判断する必要があります。また記述問題でもあるため、完答は難しいといえます。

英語

【学力検査問題 】

〇大問1 リスニング(変更あり)
昨年までとは異なり、全問題の指示が英語で書かれるようになった。 絵を見て選択する問題、場面ごとに応答を予想する問題は例年通り。 No.6は、日本語で答える問題から英問英答になり、難化した。 重要なフレーズに注目し、内容を予想しながら聞き取る練習が必要。

〇大問2 語彙問題
例年通り、日本語のメモを見て英単語を答える問題。中1・中2で習う基礎レベルの単語・表現を書けるようにしておく。

〇大問3 読解問題
中学生の主人公が、日本に住み始めたALTとのやりとりの中で大切なことを学ぶという内容。文挿入・語形変化・表現・英問英答・日本語で答える問題・内容一致と、出題傾向は例年通り。過去問題の練習で対策ができた。

〇大問4 対話文・スピーチ
昨年から変更になった、4分割形式。読解問題が多く設置され、解きづらい問題もあった。注釈のない難しい単語も散りばめられている。問3では絵の読み取りではなく、グラフの読み取りが出題。キーワードに注目して素早く問題を読む・解く練習が必要。

〇大問5 英作文
例年通り、英語の質問に対して、まとまった内容の文章を5文書く問題。昨年より条件が減り、5文完成させるのが難しくなっている。鉄板フレーズを活用し、いかに文法・単語のミスなく、簡単な文章を書けるかがポイント。

【 学校選択問題 】

〇大問1 リスニング(変更あり)
昨年までとは異なり、全問題の指示が英語で書かれるようになった。 No.6の(2)(3)は学力検査問題と異なり、より難しい英答問題になっている。 重要なフレーズに注目し、内容を予想しながら聞き取る練習が必要。

〇大問2 対話文・スピーチ
4分割形式で、文章自体は学力検査問題大問4と同じ内容。問1とグラフ読み取り問題以外は異なる設問が出題。和問英答や英問英答など、英語で書く力が求められる。

〇大問3 読解問題
学力検査問題とは異なる問題の出題。形式は例年通り。サンゴ礁の保護に関する内容で語彙数が多く、難単語の注釈もないため、内容が読み取りにくい。速く正確に読み取るために、語彙力だけでなく、4分割法や接続語に注目するなどのテクニックを使う練習も必要。

〇大問4 英作文
英文を読んで40〜50語程度で、英語で意見を書くというもので、形式は例年通り。今年は”information literacy skills skill”についてで、難しい題材だった。難しい単語や文法を使わず、いかにミスを防げるかがポイント。

国語

〇国語科入試分析

〈問題構成〉

問題構成は例年通り5つの大問(1.文学的文章 2.漢字の読み書き・語句・文法 3.説明的文章 4.古文 5.課題作文)から構成されていました。

点数配分は例年と大きな違いはなく、読解問題(大問1.3)を合わせて全体の約50%となっていました。

今年は、大問2で新傾向の問題として、新聞の記事の内容についての話し合いをもとにした対話形式の問題が出題されました。

〈大問別のポイント〉

〇大問1(文学的文章の読解) 文章の内容は、学生の部活動についての内容だったこともあり、読みやすい内容でした。問題の難易度自体もほぼ例年通りで比較的点数がとりやすい問題でした。登場人物の様子、変化を問う問題があり、文章の流れを正確に読み取る力が問われました。昨年に続き、問5では本文の表現に関する問いが出題されました。

〇大問2(漢字の読み書き・語句・文法) 各問題の難易度も例年通りあまり大きな変化はありませんでした。ただ、漢字は例年よりも少し易しめの問題が出題されました。文法・語句問題に関しては、「受け身の助動詞」・「四字熟語」が出題されました。問4は例年にない新傾向の、新聞の記事の内容についての話し合いをもとにした対話形式の問題でした。文章量が多いので、限られた時間内で正確に読み取り、理解する力が問われる問題でした。

〇大問3(説明的文章) 例年通り、文章の内容自体の難易度が高く、テーマもなじみの薄い、「マナー」についての内容で、高い読解力が必要とされる問題でした。問いの内容も例年通りの形式でした。問いの難易度は高いものもありますが、問1のように基本的な知識をもとに解くことができる問題も出題されていました。問5の記述問題では、字数指定が長めに設定されており、高い記述力が問われる内容でした。

〇大問4(古典) 本文の難易度は標準的なものでした。特に問1に関しては、ほぼ毎年出題される「歴史的仮名遣い」の問題でした。他には、「主語」に関する問題、記述問題が出題されました。

〇大問5(課題作文) 資料から読み取ったことをもとに自分の意見書く問題でした。資料も課題作文でよく出題される基本的な「読書」についての内容となっており、書きやすい内容でした。く例年通り、大きな変化はない出題でした。

理科

大問2以降の問題文の長さが、前年度より大幅に長くなり、戸惑った受験生も多かったのではないだろうか。今年度の理科の問題は答えを出すために、今までより問題分の中から必要な情報を読解し、抜き出す力が必要だったと言える。記述問題は、理由や途中の考え方を説明させる問題が多く出題され、論理的な思考力が必要だった。
また、近年出題範囲に関しては、以前は出題されなかった範囲からの出題が増加傾向にある。その単元は入試直前の三学期での学習になるため、受験対策に加えて、新たに学習する内容の理解も重要になってきている。
以上より、全体として難化傾向になり、平均点は例年より低くなることが予想される。

大問1~小問集合~
例年どおり、解きやすい問題が多かった。また問5、問7は標準的な計算問題で、このような計算問題を確実に解くことが今回大きな差になったと思われる。ただ、問題8に関しては、単位について問いた見慣れない問題だった。

大問2~火山~
一つひとつの問題は火山の範囲で問われる一般的な問題でさほど難しくないが、会話形式ですすめられる長い問題文に戸惑った受験生が多くいたと思われる。問2の記述は偏西風の動きを考慮し地形の特徴を説明するという論理的な思考を求められる問題だった。また、問3は実験の過程を述べる選択形式の問題で毎年出題されている実験形式の問題を解いていたかがカギとなった。

大門3~生態系~
3年生の後半で習う単元からの出題。あまり出題頻度は高くなく、勉強する優先度が下がりがちな単元であるがゆえに、受験生の中でも差が出た問題だったのではないか。問われていることは基本的な内容で、問題文の実験は教科書にも掲載されている実験だった。問3、問6に関しては、単語を答えるだけの問題であったが、北辰や入試での出題回数の少ないものであった。3年生の教科書を最後までしっかり読み込めたかがカギとなった。

大門4~化学変化~
2年生の化学変化の単元からの出題。ここも問題文が長く、解くのに多くの時間がかかったと思われる。また計算だけではなく、その考え方や理由を書く記述が出題された。問6に関しては知りたい内容を確認するための実験の方法を記述する問題で、実験から読み取る力だけでなく、実験を自分で用意するといった問題解決能力が問われた。以上の点から難易度はやや難といえる。

大門5~浮力~
1年の浮力からの出題。この単元が出題されるのは珍しく、途中の計算問題も平易ではなかった。問1はグラフの問題は表から情報をしっかりと抜き出し確実に正解したい問題。問2は難易度はそれほど高くないが、読み取る場所を探し出すのがポイントだった。
問4に関しては、浮力の性質を理解し、初めて見る問題に対して、その性質を当てはめて考える必要がある問題が出題された。解き方の暗記ではなく、なぜその解き方で正解できるのかといった本質的な理解が求められた。

社会

形式は昨年度同様大きな変化は見られなかった。地理2つ、歴史2つ、公民1つ、総合問題1つの大問6つ構成。過去問や北辰テストと大きな形式の変化がなかったため、安心して試験に臨めたであろう。

地理は、大陸・州・宗教・県庁所在地・雨温図・地形図など毎年問われている問題も多く、難易度に大きな変化は見られない。次年度入試へ向けての対策としては、昨年同様に資料の読み取り方、場所ごとの雨温図の特徴、地図記号や等高線の読み取り方を中心に重要事項の暗記が必要になる。

歴史に関しても、出題形式に大きな変化は見られなかった。しかし、イスラム教の成立時期、「一遍」や「お伽草子」、「陸奥宗光」、「盧溝橋」や「柳条湖」の位置など、細かい知識が必要な問題が見られた。高得点を取るには、一問一答などで用語を細かい部分まで網羅するのは必須であろう。同時に、単語を答える問題だけでなく、参勤交代の説明や、米騒動が起こった背景など、それぞれの単語に対しての説明をする力が問われる問題が出題されている。ただ単に単語を丸暗記するだけでなく、その単語の説明をできように練習をすることも必要になる。

公民は、用語の組み合わせ問題が増加した。「裁判官」「弁護人」「検察官」、「需要と供給」などを、ひとつの知識で終わらせるのではなく、関連語句もセットで覚える必要がある。
また、政治制度に関してルールを記述させる問題が近年は毎年出題されている。選択問題だけでなく、ヒントがない状態から自分の力でポイントを抑えた文章を作る練習が求められる。そして、その前提として制度のポイントを予め学習し、抑えておかなければならない。

総合問題は、小問集合で形式は変わらなかったが、古代文明が問われるなど、歴史問題が難化したため、全体的には苦労したであろう。公民の資料の読み取り問題に関しては、読み取った資料をそのまま記述できれば正解となった。事前に記述問題の練習をしていた受験生にとっては比較的ときやすい内容であった。記述に対する苦手意識をなくし、まずは何度も練習を重ねることで点数に繋げられるようになるだろう。