入学テストのない我々の塾には、勉強が苦手で嫌いで、スタート地点にさえ立てていない生徒もいる。
そんな子との会話です。
A君「塾に行っても成績上がらねぇし。意味ねぇじゃん」
先生「そうか、成績上がらなかったのか。ごめんな。A君は成績上げたいって気持ちがあるんだな?」
A君「当たり前じゃん!だから塾を替えて、この塾に来たんだ。」
先生「そうか。先生は今までに2000人以上の生徒を見てきた。たくさんの生徒の成績が上がったよ。しかし、残念ながら一部の生徒は成績が上がらなかった。どんな違いがあるか知りたいか?」
A君「知りたい!教えて!」
先生「まず、自分の成績が上がらなかったのを『他人の責任』にしている段階の生徒は成績が上がらないな。
もちろん、塾の先生の責任は大きいかもしれない。でもね『塾替えたのに成績上がらない』『学校の先生の教え方が悪い』『部活で忙しかった』など、いつも、言い訳をしている段階では成績は上がらない。」
A君「だってさぁ・・・・」
先生「じゃあ聞くけど、A君はテスト勉強頑張った!と自信持って言えるのか?」
A君「・・・・・」
先生「塾の友達で今回成績上がっている子も多いぞ?それでも自分は悪くないと言えるのか?」
A君「そういうわけじゃないけど・・・。確かに自信持ってテスト勉強頑張ったとは言えない。」
先生「そうだな。少し厳しい言い方をしてしまった。すまない。でも、これは理解してほしいことなんだ。まずは自分の責任だって思えることが大事なんだよ。
そうでなくては『悔しい思い』もないし、『反省』からも逃げている。
実はそれが一番大事なことなんだよ。
もし結果が悪かったら『悔しい思い』をして『反省』することが必要なのに、言い訳していると、その大切なことに気づけないんだ。」
A君「うん」
先生「成績が上がった生徒をたくさん見てきたが、そんな生徒たちは、毎回成績アップしたわけではない。落ちたこともある。でも、悔しい気持ちをバネにして伸びていった。
さっきまでのA君はどうだった?悔しい気持ちさえなかった。反省もしていなかった。いつまでもこの繰り返しになっちゃうぞ?」
A君「…うん。それはイヤだ。」
先生「先生達も全力でサポートするよ。補習だって必要ならやってあげるし、特別にプリントも用意できる。やるか?」
A君「やる!やりたい!」
先生「よし!でもな、塾に通えば楽に成績が上がると思っていたら大間違いだぞ。
塾は魔法使いでも、超能力者でもない。
むしろ、そうであってはいけないんだ。
だって魔法が解けたら終わりだろ。
これはある意味,俺たちが塾の力の限界を認めることでもあると思う。
成績を上げるには、何より生徒自身の地道な努力や、勉強への姿勢を改善することが大切なんだ。」
A君「うん。テスト前になると、この塾ではそういう話をしてくれる。やる気を出させてくれるよね。」
先生「そうだね。今回A君はとても大切なことを学んだと思うよ。次のテストで良い結果を出して『あのとき先生にあの話をしてもらったからだよ!』なんて言ってくれたら嬉しいなぁ」
A君「わかった!頑張る!明日勉強しに来ていい?」
先生「もちろん!部活終わったらすぐにおいで!まずは中間テストの解き直しを一緒にしよう。」
A君「わかった!ありがとう!」
入学テストのない我々の塾には勉強が苦手でスタート地点にさえ立てていない生徒もいる。
我々の塾では、よく、こんな会話も行われています。